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第1話 寝たきりになれば床ずれができるのは仕方ないことor予防可能?

寝たきり年数というのがあるのをご存知でしょうか?

ご高齢の方が脳梗塞や骨折、事故等によって体に障害が残り、いわゆる寝たきりの状態になって以降、生涯を終えるまでの間の年数のことをいいます。

私どもが、現在の仕事にかかわり合って以来、最長年数の方は男性の方で38年、二番目に長い方が女性の方で32年という方がおられました。

男性の方は、70歳で脳梗塞になられ108歳まで寝たきりの状況が続いたそうです。また、介護をしている方はお孫さんで、お子様の方が既に先立たれたそうです。そのお孫さんも60才を超えており、いわゆる老老介護だそうです。

女性の方も71歳で脳梗塞になられ当時103歳でした。介護しているのは実娘さんですが68才とのことでこちらも老老介護でした。娘さん曰くこの30年間はただの一度も旅行にすら行けなかったそうです。

これをご覧になられている方は、ご自分の年齢から経験した人生30年以上という年数を思い返してみてください。その期間、そしてとてつもなく長い期間、ベッド上という限られたスペースでの生活を余儀なくされ、また介護されていたご家族も同じ期間介護に拘束されていたと考えると、どれほど大変だったかということが想像いただけると思います。

現実的に、このような方々がおられることを知ることになったきっかけは、38年目、32年目にして初めて床ずれ(褥瘡)ができたので、エアーマットレスをご購入したいとのご相談があったことがご縁でした。

私どもも仕事柄、この時に非常に驚いたのが実に38年間、32年もの間、寝たきりの状態にあっにもかかわらず、床ずれ(褥瘡)が全くできなかったということです。

実は、このお話は今から18年ほど前にさかのぼります。その当時は、寝たきりになれば床ずれはできても、ある程度仕方ないとの考えがまだまだ残っていたころで、またケア用品も今のものと比べても当然ながら性能も低く、種類も少ない時でした。

そこで、30年以上床ずれ(褥瘡)ができずにこれたのには、なにかしらの理由があると考え、お時間をいただきお話を聞かせていただきました。かなりの長時間に渡りお話ししたのを覚えておりますが、両者の共通点をいくつか確認することができました。

◉まず一つ目ですが、とにかく食が細らなかったということです。よく食べられ、食欲旺盛だったそうです。

◉二つ目に、保健婦さんのアドバイスでまめに水分を補給させることを続けていたそうです。

◉三つ目に、紙おむつを使用されていたそうですが、汚れると時間を置かず随時交換されていたそうです。夜中も2~3時間おきに確認していたそうです。

◉四つ目に、毎日寝たきりの状況なので、身体も痛いだろうということで、可能な限りおむつ交換時に患部をマッツサージされていたということでした。

◉五つ目に、ほぼ毎日のようにおむつ交換時に一度は身体全体を清拭し、この時合わせて全身をマッツサージされていたそうです。また、シーツや寝間着をまめに交換(夏場は毎日交換)し、清潔を保たれていたそうです。

この五つのことを、なんと30年以上365日、夜中も関係なく続けていたとのことでした。
まさしく献身的な介護が継続されてきたことを把握できました。

これらのことを、専門的な情報に照らし合わせて考察しますと

▷人は、身体の機能を維持するために、基礎代謝が必要となります。この基礎代謝が落ち始めると食欲も低下してきます。食欲が非常に旺盛であるということは、お二人ともこの基礎代謝が維持されていたのではと思われます。この意味ではある程度健康な身体的状況が保たれていたと想像されます。
 残念ながら、床ずれ(褥瘡)ができたとのご相談を受けて、お二人とも1年以内にお亡くなりになりました。たぶん、この頃から、ご本人の自己代謝や抵抗力が大幅に落ち始めた為だと思われます。

▷高齢になると乾燥肌になりやすくなります。お肌が乾燥すれば、かゆみや、皮膚の剝離が進み床ずれの発生要因の一つとなります。同じく、湿潤が多すぎるのも皮膚疾患の要因となります。水分をまめに補給し、かつおむつ交換を随時行うことで、皮膚の状態を良い状況に保てたのではないかと思われます。また、同じく随時おむつ交換し、シーツや寝間着をまめに交換することで、清潔な状況が保たれていたことも挙げられます。

▷そして、何よりもおむつ交換時に毎回マッサージされていたことです。食欲と水分をしっかりとられていたために、排泄回数も多く、そのたびに側臥位の状態でマッサージを行っていたということは、定時間単位で体位変換を実施していたことになります。また、一日に一回はおむつ交換に合わせて全身の清拭を行っていたそうです。この折にも合わせて前進をマッサージされていたということでした。この全身マッサージも、エアーマット等による体圧分散的な効果も得られていたことになります。つまり、長時間の圧迫を予防し、血流が途絶えることない状況が保てたと考えられます。

今でこそ、床ずれ(褥瘡)は体重による圧迫だけではなく、ご本人の身体(疾病)状況や、栄養状況、介護のマンパワーの状況等、様々な二次的要因の影響をうけることは認知され始めました。病院等では、それぞれの専門家が褥瘡対策チームで対応するようになってきました。

今から約20年から50年前に、在宅で専門的な知識もなく、床ずれ(褥瘡)ができない状態を保てていたことは、当時の私どもには大変衝撃的な出来事でした。

この時から、私どもの意識が変わり、一部の(疾病や老衰等の末期状態)状況を除き、ほぼすべての床ずれ(褥瘡)は予防できるものとなったことは、言うまでもありせん。

合わせて、どうしても忘れることができないのが、介護されていた娘さんやお孫さんが同じように語られた30年以上自分の為の時間はありませんでした。と、過去を振り返りながらだと思うのですが、押し殺すように話されたことです。30年以上、床ずれ(褥瘡)ができなかったのには、介護する方の大きな代償によりなりたっているのだと強く感じました。


このお話は、弊社が床ずれ(褥瘡)対策商品に、また、この事業に取り組むきっかけにになった事例のStoryです。

当社の製品開発の理念はこうして生まれました。床ずれ(褥瘡)の発生をしっかり予防できること。併せて、介護する方の負担を少しでも軽減できること。この2つの条件をクリアーできてはじめて褥瘡対策商品だと考えています。この理念は、今後もしっかりと継承されていくことでしょう。

EFC ケアコンシェルジュ

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